心理学と行動

人はなぜ、ランキング1位の商品を選んでしまうのか?

人はなぜ、ランキング1位の商品を選んでしまうのか?

Amazonや楽天などの大手通販サイトで商品を検索すると、同じジャンルで無数の商品が検索結果に表示されます。

中には数千点の種類が売られているアイテムもあり、その中から自分が一番欲しいものを探し出すのはとても大変ですね。

そんなときにまず私たちが見るのが、売れ筋や評価のランキングではないでしょうか。

とりあえず、ランキング1位のものを買っておけば、大きな失敗はないだろうと考えるのは私たちの習性です。

しかし、なぜランキング1位だから「失敗しない」のでしょうか?

ランキングを信用することにはどのようなメリット、あるいはデメリットがあるでしょうか?

良いものだから、ランキング1位?

私たちがランキング1位を好む理由として挙げられるのが、

「ランキング1位のものは、品質やコストなど、何らかの側面でほかの商品よりも優れている」

と考えるという点です。

しかし、実際にほかの商品と比較を行ったわけではありません。

それでは、なぜランキング1位がほかの商品より優れていると考えるのでしょうか?それは、

「みんなが使った、買った、食べた結果、良いものだと判断した」からです。

私たちは自分で商品を比較する代わりに、ほかのみんなの意見に委ねて、商品を選んでいることになります。

そのような行為にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ランキングを信用するメリット

本来、数多ある商品の中から優れたものを選びだすためには、それぞれの持っている特徴を比較し、

順位をつけなければならず、比較する数が多いほど、大変で手間のかかる作業になります。

ランキングは、ほかの誰かがすでに比較して順位をつけてくれたものですから、

自分で比較をする手間を省くことができます。

また、専門的で自分では比較ができないようなジャンルの商品でも、

ランキングを見れば良いものがすぐに分かるので、複雑な知識を身につける必要もありません。

ランキング1位を選ぶのは、時間も手間も大幅に節約できるため、とても大きなメリットがあります。

しかし一方で、ランキングを信用しすぎると思わぬ落とし穴にはまってしまいます。

ランキングを信用するデメリット

ランキングに潜む落とし穴とは、ランキングの持つ特性を利用されてしまうケースです。

大して人気のない商品でも、販売する側がランキングを操作して1位に持ってくれば、

みんなに買ってもらえるように仕向けることができます。

わたしは学生のころ、CD・DVDショップでアルバイトをしていました。

ランキングの棚は上位のものから売れていき、在庫が無くなっていきます。

そんなときにランキングの下位と上位を入れ替えるだけで、不思議なくらいにランキング下位(だった)商品が売れるのです。

商品を売る仕事やアルバイトを経験された方なら、

人々がいかにランキングを重視しているかは、皆さんご存知の通りでしょう。

「良いものだから、みんなが選ぶ」ではなく「みんなが選んでいるから、良いものだと思い込む」

ランキングに潜む罠をもう一つ。

ランキングは、誰かに操作されなくとも、本当の順位を反映していない可能性があります。

ランキング1位のものより品質もコストも優れている商品が実際にあったとしても、

ランキング1位の商品が売れ続けることがあるのです。

「なぜそんな不合理なことが起こるのか?良いものだから、みんなが選んでいるのではないか?」

と思われるかもしれませんが、

あなたが誰かの意見を参考にするのと同じように、その誰かもほかの人の意見を参考にしています。

全員が手間を惜しんで、いつの間にか比較する人がいなくなると、原因と結果の逆転が起こります。

つまり「良いものだから、みんなが選ぶ」のではなく、

「みんなが選んでいるから、良いものだと思い込む」のです。

そうなった場合、本来ランキングに期待されるような価値はなく、

「ランキングが1位だから、ランキング1位になる」という摩訶不思議な現象が起こります。

思わぬ落とし穴にはまらないためにも、

ランキングを見たときは「これって本当なの?」と少し疑ってかかるくらいが、ちょうど良いのかもしれません。