心理学と行動

なぜ、優しい人は頼みごとを断れないのか?

なぜ、優しい人は頼みごとを断れないのか?

自分は「優しい人」なのだと自覚している

人はいつから「優しい人」になるのでしょうか?

おそらく、キッカケはささいなことだったでしょう。

例えば、重い荷物を持ってあげた、席を譲ってあげた、お金を貸してあげた…

そして「優しいね」と言われた。

そのときから、あなたは「自分は人が困っていたら助ける、頼みごとを断らない、優しい人なんだ」と認識するようになります。

ひとたび自分に対するイメージが芽生えると、今後もそのイメージに従って行動するようになります。

なぜなら、いつも同じように行動するのは、そのほうが「ラク」だからです。

「自分はこういう人間なんだ」と決めてしまえば、選択肢に悩む必要がありません。

「優しい人」のイメージを崩したくない!

ただし自覚するだけでは、「優しい人」になるには不十分です。

社会の中で、あなたを「優しい人」と決めるのはあなた自身ではなく、周りの人たちの評価によるものです。

つまり、あなたのアイデンティティは、

あなたの内側 = 自分に対して抱いているイメージ

あなたの外側 = 社会があなたに対して抱いているイメージ

の両面によって形作られています。どちらが欠けてもなりません。

自己イメージと社会のイメージを一致させるため、あなたは周りから「優しい人」に見られるべく努めるようになります。

しかし、頼みごとを断ってしまうと、社会があなたに対して抱いているイメージが崩れてしまうかもしれません。

そのようなリスクを避けるため、優しい人は頼みごとを断れなくなってきます。

自分が「優しい人」でなくなると、かえって面倒が増える

今まで「優しい人」だったのに、頼みごとを断ることでイメージが壊れてしまうのを恐れるのは、相手が抱くイメージに関してだけではありません。

自分自身のアイデンティティが壊れてしまう、つまり自分に対して抱いているイメージが壊れることも同様に恐れているのです。

今まで頼みごとを断らない「優しい人」として生きてきたのに、そうでなくなってしまったら?

自分は何者として生きれば良いのか、今後どのように行動すれば良いのかと考えなければなりません。

今まで築き上げてきたイメージを捨て、新しく自分のイメージを作りなおす。

それは頼みごとを聞くよりも、はるかに手間がかかり悩ましいことです。

「優しい人」が頼みごとを断るには、どうすれば良いのか

断りたいことでも断れなくて悩んでいるのであれば、

自分に対して抱いているイメージを少しずつ変えていくことが大切です。

別に「優しい人」をやめる必要はありません。

快く引き受けられる頼みごとなら、喜んで引き受ければ良いのです。

自分が納得できない、許容できないことだけ断るようにしていきましょう。

自己イメージを徐々に変えていけば、しだいに悩みも解消されてきます。

当然、相手に与えるイメージも変化しますが、心配には及びません。

あなたが自分の意思をハッキリと表明すれば、心ある相手なら理解してくれます。

それでもあなたが嫌がるような頼みごとを強要してくる人がいるとしたら、

それはあなたを優しいと思っているのではなく、あなたの自己イメージを利用しているだけです。

そんな相手を失望させたところで何の問題もありません。

あなたの優しさに対して、優しさで応えてくれる相手を大切にしていきましょう。