心理学と行動

なぜ、期間限定・数量限定の商品は売れるのか?

なぜ、期間限定・数量限定の商品は売れるのか?

なぜ、お店は商品の販売期間や販売数量を限定するのか

ケーキにしろ洋服にしろ、世の中にはたくさんの期間限定・数量限定商品が売られています。

当たり前の光景すぎて不思議に思う人もいないでしょうが、お店側の手間とコストを考えるとちょっとヘンだと思いませんか。

ずっと同じ商品を作り続けるほうが、お店としては生産コストを安く抑えることができて、新しい商品をいちいち考える手間もありません。

もちろん、新しい商品は売れるかどうか分からないので、少しだけ作ってみて、世間の反応を見るのであれば、生産を限定する理由もわかります。

しかし、継続して人気の出そうな商品なら、期間や数量を限定せずに売り続けるほうが、お店としては将来にわたってたくさん儲かるのではないでしょうか?

それをわざわざ限定してしまう理由は何なのでしょうか?

理由はカンタンで、期間や数量が限定されることによって商品の人気が出て、みんなに買われるからです。

ではなぜ、期間や数量が限定されるだけで、商品の人気が上がるのでしょうか?

期間限定・数量限定は、珍しいから価値を感じる

人は、珍しいもの、手に入りにくいものに対して、大きな価値を感じるようになっています。

例えば、側面にギザギザの模様が入った10円玉(通称ギザ10)や、印字不良の1万円札などを考えてみてください。

支払いに使用した場合、それぞれ10円、1万円の価値しかありませんが、オークションに出せば、それ以上の金額になることがあります。

ただ「珍しい」というだけで、額面以上の価値を持つようになるのです。

期間限定や数量限定についても同じで、限定することによって入手しにくくなり、その結果として大きな価値が感じられます。

他人との奪い合いになるから熱狂する

数量限定の商品においてもう一つ重要なのが、商品が他人との奪い合いになるという点です。

数量限定の人気商品に大勢の人が押し寄せ、取り合う光景をイメージしてください。

「自分が手に入れなければ、他の人に取られてしまう」と感じると、人は熱狂して興奮状態になり、商品に対して通常よりも大きな価値を感じるようになります。

そのような状況では、限定商品はもちろんのこと、限定されていない商品まで売れやすい傾向にあります。

もともと限定品を買うつもりでお店に行ったのに、目当て以外の商品を買って帰った経験のある方は、自分の熱狂をよくよく実感していることでしょう。

期間と数量を限定しても、商品の質は変わらない

期間限定・数量限定の商品には「価値を感じるようになる」と述べてきましたが、決して「価値が上がる」訳ではありません。

期間と数量を限定しても、あるいは限定しなくても、商品自体の質は何ら変わらないからです。

期間限定のケーキは、販売期間が終わったあとでも、同じ材料とレシピで作れば、美味しさは一緒です。

数量限定の洋服だって、綿やウールやポリエステルで作られています。

したがって、限定商品に惑わされないためには、その商品を所有することに感じる価値ではなく、実用的な価値のほうに注目することです。

決して、限定商品が良くないとは言いません。

大切なのは「限定」というポイントを取っ払ったうえで、それぞれの商品を比較することです。

「限定」の2文字を隠してショーウィンドウを見れば、本当に自分が欲しいものを手に入れることができます。